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醍「色々言いてェ事もあるだろうが…まずは自分の調子を戻す事に専念しとけ、余裕がねェなら尚更な。 元気になりゃ付き合ってやるさ、幾らでもよ」
辛くも蚯蚓どもを撃退した一行はバテバテな身体を引き摺って何とか休める所を見つけ転がっていた。 戦闘後や大乱戦の合間に奔走していた圭も今は少し離れた所でぐっすり就寝中、 キルは疲労に縁が無いのか何か別の作業しに姿を消している。
ぶっちゃけ俺自身も疲れが溜まってきたのかあんまり動きたくねえ位。 向かい合わせに座っている駿斗も相当参っているのか、物言いたそうな視線だけが此方に向いている。 そうまでして何か言いたい事があるとしても、先ずは自分の状態を戻さなきゃ喧嘩も出来やしねえぞ、と。
駿斗「アンタに何度も言った筈です。行動を見直せと。 聴く耳を持たない、というより、言葉と行動が一致してネェんです。」
このセリフも何度目だったか、また始まった。 言われ続けるつーからにはこっちにもそう見えるトコあるって事なんだろうが…サッパリだから困ったモンだ。 そんな微妙な顔をしていると駿斗は落ち着いた口調で言葉を続ける。
駿斗「じゃ、こうしましょう。紗夜がアンタの知らない男達に囲まれて、話す。 『初めまして』とか『見覚えある』とか声を掛けられた相手を凝視して、名前を呼び合う。 婚約者が居るのに、そんな事おくびにもださず男にばかり声をかけ、 声を掛けられて、ニコニコ上機嫌。 ……いい気分します?」
また妙なコトを聞いてくるヤツだな、その場合俺は…
醍「ぱっと見はそりゃ何だありゃ、って思うケドよ。 聞いてみてその答えが大したことねえモンなら、紗夜を信じるさ。 信じてやらなきゃ何が出来る」
真面目な顔して答えることにしてみた。 …何でそこで落胆するんだよお前は。 変な事言ったか、俺?
駿斗「それは紗夜が自分の恋人、婚約者ってフィルターがあるからそういう判断が出来るンですよ……」
醍「?」
鈍い奴め…、そんな事を言いたげな目だった。
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駿斗「――ッツー訳で俺は過保護なシスコンですよ。 アンタは自分が否定されてばっかで辛いでしょうが、分かってもらえますかね?」
醍「お前の話は分かった、十分な」
駿斗「んじゃ、そっちも主張があればドウゾ。」
一時間程だろうか、話はお互いの事情や別角度からの見方などに発展していた。 まぁお互いつっても俺や圭の事情は然程量無かったワケなんだが。 一通り説明が終わり駿斗が話の主導権を俺に渡してくる…ってもあんま言う事残ってねえよなぁ。
醍「…どうこう主張する気もねえケドよ、1つだけとりあえず納得した所はある。 お前に認められる様になるには、死んでも死なねェ位に自分を鍛えなきゃならねえ、 それが第一条件 …ってな」
物足りなさそうな表情が返ってくる、今度は言いたい事の察しが付いたが。
駿斗「あと、浮気や不倫とかはやめてくだせぇよ。 アンタが墓穴堀過ぎな体質なのは分かりましたが、 だからってその体質をカモフラージュにして他の女に手ェ出したりしたら……
快楽任せの置き土産分、きっちり責任とってもらいますぜ」
醍「少なくとも俺には紗夜以外ありえねえよ、あいつを裏切るツモリなんざ毛頭ねェ。 泣き顔はもう沢山だ」
以前見た紗夜の泣き顔が脳裏に浮かぶ、それだけで少し苦しくなる。 もう見たくない、泣かせたくない、それは偽り無く本音。 どうやらその事だけは少なくとも伝わったようだ。
駿斗「あっちゃ困りますよ。 てか、俺まだ叔父さんなんて呼ばれたかねぇのに……なんて事してくれやがったんですか」
醍「世の中にゃ現役小中学生で叔父さん叔母さん言われる奴だっているらしいぜ、そこん所は諦めてくれや。 それもまた、俺らの結果だ」
少し気が晴れたのかそんな談笑が交わされる。
駿斗「……帰ってくる頃には父親かも知れねえってのに何悠長な事を。」
何の冗談だソレは。
醍「……そこまで手ェ出してねえぞ、マジで。」
駿斗「【寝かせて貰えない程暑苦しい事】ってえのは、どんな事ですか義兄サン?」
いやホントだからな? 本当だっつーの?! 信じて無ェだろその顔、絶対信じてねェなオイ!? …OK、落ち着け俺とりあえず説明だけしておくか。
醍「何って布団の中で撫でたり抱きしめたりキスしたりってのを延々と」
駿斗「上着脱ぐ必要はどこにあったんで?」
醍「暑いだろ、やっぱ」
駿斗「服着てろよ。」
何このセメントなカウンター。 呆けていると、頭をガシガシ掻きながらセリフは続けられた。
駿斗「もうガキができててもおかしかねえな……このバカ教師!」 イタリア人に生まれてたらマンマミヤ~~~!とか叫んでるな、俺」
醍「深読みすんな! 出来てるワケねえから安心しろこのバカ義弟! せめてオーマイガッ!とかジーザス!くらいにしとけよ、あぁ…似た様なモンか。」
駿斗「上着脱いで覆いかぶさるとか、 ナニしたのか分かったもんじゃネェでしょうに。 もうね、疑わしすぎるんです、墓穴掘りすぎなんです!だからあんだけ……」 俺がどんだけ心配して恐れてきたかあんたに想像できますか? ヒヤヒヤして寝た気がしネェ毎日でしたよ」
あァ、何だそんな事心配してやがったのかコイツは。 何か納得出来た。
醍「そりゃ確かに冷や汗モンだなア ……いや笑い事じゃねえんだろうけどな」
駿斗「……このバカップルどもは」
今度は頭を抱えだす駿斗、こいつも大概に面白ぇリアクションするよなァ。 いやそういう事じゃねえよな今は。
駿斗「まぁ、帰る頃に同じセリフが言える様なら、 どうぞ所帯でもガキでも何でも作っちまえよもう」
醍「おう、いつでも何度でも言ってやらァ。 お前も自分のやりたい事の1つや2つここで見つけられるくらいの余裕は持たせてやりてぇ所だしな」
駿斗「挨拶がいつで諸手続きがいつで挙式がいつで…… ってやってる内にアンタらデキてそうで怖えぇンですよ …… まぁ、もういいですけどね、えぇもう、好きにして 俺は紗夜似の姪が出来れば満足ですから」
醍「また随分な投げっぷりだな、甥になっても知らねェぞ?」 駿斗「父親に似るんでしょうかね……」
醍「似るかもしれねぇし、あいつの顔で暴れまわってるかもしれねえぞー」
言ってから気付いたが、それって正しく目の前にいるコイツだよな。
圭「さてと、ここからはちょっと番外編」
醍「大乱戦のネタだな、再更新しまくりの3回分は全部一回戦負けだったが確定結果では…」
圭「ちょっと驚き…組合せの運もあったんだろうけれどまさかベスト8まで残るとは、ね」
醍「もう運気全部使い果たしたンじゃねェか?」
圭「兄さんが言うと縁起でもないから」
圭「まあでも驚いたのはやっぱり一回戦、かな?」
醍「そりゃそうだろ、つーかアレは無ェよ」
醍「 ト ム じ ゃ ね え か ? ! 」
圭「兄さん、近くにいるみたいだから大声は危ないよ」
醍「まァ優勝者が背後の知り合いってのも微妙に驚いたがな」
圭「余り大きな差が出ない時期だから一点能力に秀でるか、召喚系があるかどうか… そういう所で左右されるケースが多い、かなぁ」
醍「短期に全体攻撃を修得出来たかどうかってのも多少ありそうだな、一撃で潰してラクにするのも通じ難い。 魔力を殆ど成長出来てない前衛系もいただろうし、ちと魔法に分があった印象かねェ」
圭「その辺りを踏まえて色々頑張るのがこれから、だね」
醍「まぁ、だからといって魔法要素・素質ゼロな設定の俺が魔力鍛えるワケねえンだが」
圭「背後さんも妙な制限とか茨道ばかり突っ込まなくても…はあ(溜息)」
・背後思考能力低下期間突入中につき文章が変なのは仕様です。 再更新はありません。 確定です。