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毒蠍『僕が狩る側だ。』 歩行仙人掌A『歴史ある針拳法、しかと味わうが良いわ。』 歩行仙人掌B『歴史ある針拳法、しかと味わうが良いわ。』
何だろうな、前に居た学園での経験や慣れが大きいのか然程違和感を感じねェ。 つーか、アレだな。 歩行雑草に比べりゃ大抵のモンが可愛いモンだよな、確かに。 あの歩行雑草のフォルムに生理的嫌悪感…むしろトラウマを持ってる奴って結構いるらしいし、 俺から見てもあの妙な筋肉っぷりが何かキモいし。 それに比べりゃコイツらは上等なモンだよなァ。
などと一人ごちている間に駿斗とキルリアは戦闘態勢を整えていた、 俺もアイツらの前に立ってやらねえとな。
醍「よっ、とォ…まずは初戦、ここで落としちゃあ後が悪リィよなア」
鉄の塊を肩に担ぎ上げ悠然と歩を進め、眼前の敵と対峙する。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
戦闘、開始。
先ず始めに動いたのは駿斗、そしてキルリア。 その先制攻撃は毒蠍を完全に捕らえ作戦通り対象の行動阻害が成功、 そのまま畳み掛ける様に駿斗、キルリアと次々に攻撃を加えてゆく。
ゴンッ
そして続け様に振ったハンマーに鈍い音と確かな手応えが走る。
醍「オラ邪魔だ、転がってンなら端寄ってやがれ」
一機撃墜、オーヴァ。 そんな感じで歩行仙人掌Bを端へ蹴り飛ばしていると、横から毒蠍が飛び掛ってきた。
毒蠍「大人しくしろ。」
醍「大人しく出来るかァッ!!」
思わず口走った隙に一発食らってしまった、思ったよりキくなァコイツは……。 しかも毒は毒でも麻痺毒まで持ってやがったのかよコイツ。 そう舌打ちしながら思考していると、ふと、何か違和感がある事に気付く。 先程まで全く気付いていなかったコト。
―――おァ、防具外したまんまで半裸じゃねェか俺。
って、痛って、痛えじゃねェかよこっち麻痺毒まだ残ってて動けねェンだっつの、 来ンな殴ンなトゲ出すなっつーかうっぜェなオイ?!
勿論声には出ない、麻痺してるから。 式村醍、リミットブレイクまであと僅か。
麻痺から解放された頃には戦闘がほぼ終わっていたのは言うまでも無い。 リミットブレイク、不発。
圭「兄さん、何で防具外してたの?」
戦闘が終わると後方へ退避していた圭が戻ってくるなり疑問の声を上げる。 尤もな疑問だが。
醍「特に意味は無ぇ、っつーか凡ミス?」
圭「はあ…次からは気をつけてね、やっぱり鍛え直さないと危ないみたいだし、ここ」
醍「応よ」
ったく、ここンところ妙にツイてねェ。 防具外れだとか以前の脱衣向上委員会所属だとかの所為で半裸とか裸族とか言われンのはまだ良いとして。
何故に女タラシだとかロリコンだとか疑惑吹っかけられなきゃならねェんだ… 何かとそういうのと縁があるのは否定しねえケド、ンな真似した事無えっての。
……つーか、俺そこまで信用無ェのかな、真剣なハナシ。
一夜明け整った通路を進んでいくと、魔方陣が描かれた広い区画に出た。 魔方陣の模様は『憩いの印』、これでこの島へ来た時に見た魔法陣に続き3つ目の場所を記憶した事になる。
醍「3箇所目、っとォ。 入り口から2日ありゃ来れる場所ってのは妥当なモンなのかねェ」
圭「うーん…もっと先に進むと何日も歩きっぱなしになったりするのかなあ」
醍「じゃねェの? 流石にそこまで親切じゃあねェだろうしな」
圭「財宝とかあるって話だし、やっぱり簡単には、かぁ…」
ここまで簡単に進んで来れると逆に警戒しがちになる、暫くはその必要性も無いんだろうが… ナンだかなァ。
などと考えながら歩いていると、
駿斗「センセー」
と駿斗が前方を指差しながら口を開く、教師と生徒だった頃を思い出すトーンで。 それに釣られる様に俺も同じ調子で返す。
醍「おう何だー」
駿斗「猫2匹。YUBISASHI KAKUNIN。 あと、壁が歩いてますぜ」
指差す方向には確かに黒い猫が2匹。 そしてなまっちょろい手足が生えた壁っつーか塀っつーか、まぁ、何か歩いてやがる。 昨日の圭じゃぁ無いが確かに大分慣れてくるモンだな、こういうのは。
醍「あァ猫だな、あと壁だな。 壁は――」
握り拳から親指を上げ首へ持っていき
醍「――ブッ壊せ。」
そのまま狩る様に親指で横一閃、さァサァ処刑タイムの始まり始まり。
本日の授業:破壊工作。